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地球上で最期の一言は『ありがとう』で。
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      薬袋

      ダイイングメッセージを受け取った事があります。



      検査記録の保管義務期間は3年。
      カルテは5年。


      ようやく月日が経ちましたので、こっそりと。
      でも決して忘れないように記しておきます。


      びょういんに勤め始めて間もなくのお話しです。
      医療事務の資格を取って、そのまま就職したのが今のびょういんです。
      なので他の病院、診療所を知らないので、観る事全てが初めてで、
      兎に角仕事を覚える事と、慣れる事に必死でした。
      なおかつ癖のある相方のおねーさまの、心無い言葉や態度に一喜一憂してて、
      (今はワタシの方が物凄く強くなっちゃいましたたらーっ
      でも患者さんに応援して頂いて、助けられて、
      今思えばせんせぇや看護師さんたちも、おねーさんの性格はもう既に見透かされてて、見守ってもらえてたので、どうにかこうにか毎日を続けていました。


      個性的なイヒヒ患者さんは何人もいらっしゃるんですが、
      そのかたもちょっと独特の雰囲気を持った方で、
      「オレは昔はボクサーだった。喧嘩もよくやった。」
      だそうです。
      ひょろりとした風体で半信半疑でしたが、
      ボクサー=減量というちょっと間違ったイメージを持ってしまっているので汗
      そんなもんかな、と思っていました。


      心臓が悪くて、毎回の診察で心電図を取って経過観察を続けないといけない状態でした。
      本当はペースメーカーをするべきだ、とせんせぇは毎回説明するのですが、
      ご本人が頑なに拒否なさるので時にはせんせぇと口論?になりかけたり。
      素人のワタシも違和感を覚えるくらい、心電図の波形はガタガタでした。
      自覚症状も当然あるのですが、手術はしない、と。


      受付に来るたびに必ず声を掛けて下さり、
      「今度駅前に新しい飲み屋が出来ただろう、連れてってやるヨワッ!
      そんな話しばっかりでしたけどたらーっ
      もちろん毎回丁重にお断りして、ご本人も挨拶代わりに云ってるだけですから実際に誘われたりなんてこともなく。
      患者様とそんな話するなんて!って当時の勝気なおねーさんは端から気に入らないようでしたけど、
      気に入られたい、慣れたいという思いで必死だったワタシは、他の患者さんに対しても一生懸命話し掛けてゆく作戦(笑)で頑張り通してましたw


      強引にやればやっぱりどこかにひずみは出るもので、
      一度その方に薬を少なくお渡ししてしまった?ことがあって。


      診察時間を終えて、帰り際に突然電話。
      時間外はせんせぇの自宅に転送するようにしているので、せんせぇの奥様が電話をとりました。
      間もなく内線。時間外の患者さんかな?とか云いながら受けると、
      「なまづさん(仮)じゃないとダメだって言い張って聞かないのよ、何かあったの?」と。
      「家に帰ったら薬の数が合わない。受付のあのこじゃないと判らないから。」
      とのこと。なんだそりゃ。
      結局ワタシがでたら思う壺なのでおねーさんに出ていただいて、
      明日受け取りに来ていただくことに収まったけど、
      そのあとはご想像どおりで奥様とおねーさんにコンコンとご注意を頂いたのでありました。トホホ[:ふぅ〜ん:]

      閑話休題。


      また、救急車から救急指定じゃない、こんなちっちゃい診療所に救急要請の電話が来て撃沈
      何事かとおもったらその方が競輪場で(苦笑)倒れて、病院に搬送しようとしたら本人が掛かりつけ医じゃないとダメぶーって希望している、とのこと。
      ストレッチャーに乗って登場したら
      「このくらいの発作なら、せんせぇに診てもらえば大丈夫なんだ」
      とケロッと云ってのけました。…顔色激悪なのに。


      自宅での突然の発作で救急車で搬送されたときは、
      そんなワガママを云ってる余裕もなく(あたりまえじゃい)
      循環器科の病院に入院。
      安定して無事退院となってから診察にみえた時は、珍しく弱気で
      「またオレここ来るから、カルテとか棄てないで取っといてくれよな」
      そんなことするわけないじゃないですか、って笑っといたけど、
      よっぽど入院がこたえちゃったみたい。
      循環器科の先生にどれだけ病状が深刻か、しっかり説明をうけたのかしら…。
      でも本当のことだし、ご自分の体の事だし。






      それから。


      休みの日におねーさんからメールが来て。


      せんせぇ宅に警察から電話があって

      その方が自宅で亡くなっていらしたのが発見されたとのこと。

      奥様が
      「何故うちの患者さんだとおわかりに?」
      と尋ねると、




      『ポケットの中に、そちらの医院のお薬の袋だけ、入ってたんです。』




      独り暮らしで、躰が悪いので満足に仕事にも就けず、それは質素な生活をなさってて、
      でもせんせぇとびょういんだけはずっと信頼して薬を欠かさず続けて下さってた。

      ご本人は発作が起きたらすぐ飲めるように頓服をポケットにいれて持ち歩いてたんですね。


      それが図らずも患者さんからの最後の大切なメッセージとなった。
      なにかあったら、ここの先生に連絡するように、と。


      最後の保険請求をして、カルテは整理して倉庫へ。


      びょういんの倉庫に限界があるので、何十年分も置いておけない。
      いよいよ医療系ごみとして厳重に処分しなければならない年数になりました。
      ひょんなことから、思い出して、棄てたらおこるかな?(苦笑。
      ワタシは忘れてないよ、って言い訳するために、此処に書きとめておきます。
      だから怒って、「右フックねじ込むように打つべし!」しないでネニコニコ

      | Namazuklinik*Klinikannahme | 20:10 | comments(0) | trackbacks(0)
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